マグナ・カザミネED


<聖地の森>


カザミネ「・・・マグナ?バルレル殿から聞いたでござるよ。まだ、あの時のことを気にしているらしいでござるな」

マグナ「うん・・・引きずったって意味がないことなのかもしれないけど、どうしても、ね」

カザミネ「さもあらん。拙者とて、未だにあれが悪い夢だったのではないかと、そう願ってしまう時があるのだからな」

マグナ「・・・・・・」

カザミネ「すこし、外の空気を吸いにいかぬか?よどんだものを吐き出さねば人は生きてなどいけないでござるぞ」

マグナ「うん、そうだな・・・」

カザミネ「早いものでござるよ。あれからもう季節がふたつも巡ってしまったでござる」

マグナ「もう、そんなに経っちゃったんだな」

カザミネ「時の流れは早い。されど、人がそれと等しく成長するのは困難というものだ。
未だ、剣の道は見えず。いやはや、拙者も未熟でござるよ」

マグナ「でも、あきらめる気はないんでしょう?」

カザミネ「うむ。たとえ、至らずとも拙者は最後までこの道をゆくでござる。
マグナ殿、お主が、最後に聞いたという・・・ネスティ殿の言葉を信じ、こうして大樹の護人となったようにな」

マグナ「錯覚だったかもしれないけど、でも俺はあの時、たしかに聞いた気がするんだ。
ネスは生きている。この木の中で眠っているだけなんだって・・・」

カザミネ「錯覚ではないと拙者は思っておるよ。
だからこそ アメル殿もバルレル殿も、こうしてお主と共に彼が帰ってくる日を待ち続けられるのでござろうからな」

マグナ「うん・・・」





カザミネ「かなうと・・・よいでござるな。お主の信じておるものが・・・」

マグナ「うん・・・カザミネさんの信じてるものもね」

カザミネ「まったくでござるよ。待たせ続けるのも彼女に申しわけが立たぬし・・・」

マグナ「そうだよ。いい加減に覚悟してなるようになっちゃえばいいのにさ」

カザミネ「勘弁してくだされ!それでなくてもミニス殿たちから会うたびに『先越しちゃうわよ?』などとせっつかれておるのでござるから」

マグナ「あはははははっ ミニスなら、本当にやりかねないよなあ」

カザミネ「さて・・・そろそろ、戻るといたそうか。アメル殿も、食事の仕度をしていたようでござるし」

マグナ「ねえ、カザミネさん」

カザミネ「なんでござるか?」

マグナ「俺、信じ続けたっていいんだよね?自分の決めたこと この願いを、最後まで信じていいんだよね?」

カザミネ「マグナ殿よ それで、お主が後悔しないのならば。それに・・・信じ続けて、お主は今ここに立っておるのだ」






そんなお主だからこそ 拙者はお主と共に戦えたことを誇りに思っているのでござるよ






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