リューグ×トリスED


<聖地の森>


リューグ 「・・・トリス?なにやってんだよ?人をさんざん待たせやがって・・・
メシを食べたら外に出てろって言ったのはお前だろ?」

トリス 「うん、ゴメン・・・うっかりしてたわ」

リューグ 「うっかりって・・・お前なあ・・・ハッ!よくもそう毎日毎日、うっかりを連発できるもんだな。一緒に暮らしてる俺の迷惑も考えやがれよ、ったく・・・」

トリス 「むぅ・・・ホントにゴメン・・・」

リューグ 「で、どうすんだよ?用事ってのは、やめにすんのか?」

トリス 「ダメよ!他のみんなが来る前に、きちんとキレイにしてあげないと・・・」

リューグ 「だったら、さっさと道具持ってついて来いよ。もたもたしてたら、あの野郎の掃除なんて終わらねえぜ」

トリス 「ちょ、ちょっと!急ぐからさ、リューグ。待ってってばぁ!」


<聖なる大樹>


リューグ 「散らばってた落ち葉はまとめて、袋に詰めておいたぜ」

トリス 「ご苦労様、リューグ。樹皮の傷んでる部分も処置したし、なんとかみんなが来る前に作業が終わったわ」

リューグ 「枝の間引きに、雑草の引き抜き・・・お前の庭師っぷりもすっかり板についたな」

トリス 「ははははっ。さすがに、二年近くもこうしてればね」

リューグ 「二年か・・・早いもんだぜ・・・
ネスティの野郎がこの樹になっちまってから、もうそんなにも経つんだな・・・」

トリス 「ええ、そうよね。聖なる大樹・・・この樹が、ネスだって知っているのは、たぶんあたしたちだけ・・・あの時から、ずっと邪悪な魔力を吸収して浄化し続けているのも」

リューグ 「ああ、1日も休むことなくな・・・ハッ、几帳面なあいつらしいってつくづく思うぜ。誰に感謝されるわけでもねえのに、損な役割を引き受けていっちまいやがって。お人好しすぎなんだよ、あいつは・・・」

トリス 「リューグ・・・」

リューグ 「もっとも、それに輪をかけてバカなのはテメエだがな・・・聖なる大樹の護人。いったいいつまで続けるつもりなんだ?いくら待ち続けたって、あいつが帰ってくる保証はねえんだぞ?」

トリス 「ええ、わかってるのよ。本当はこんなこといつまでもしてちゃいけないって・・・アメルみたいに、あたしも前向きになって生きないと、ネスにさ・・・叱られるもんね」

リューグ 「トリス・・・」

トリス 「でも、もうすこしだけ待っていたいの。あたしは・・・」

リューグ 「ま、お前の人生だしな。俺が口を出すようなことじゃねえ。それだけ、はっきりと自分のことがわかってるなら、なおさらだ」

トリス 「ありがとう・・・リューグ・・・。でも、それはキミも同じなんだよ。あたしにつきあって、ここで過ごすことなんてないんだよ」

リューグ 「ハッ!それこそ余計なお世話だぜ。俺は好きで、お前の側にいるんだ。
あいつの代りには一生かかってもなれねえがな・・・俺は、お前を守りたいんだ・・・」

トリス 「リューグ・・・・うん・・・・っ」





ネス、聞こえる?

あなたのおかげで、あたしたちはこうして生きてるわ・・・

ネスが言ってたとおり

人間は、やっぱり嘘つきで自分勝手だけど・・・

でも、昨日とは違う

よりよい明日を目指して、生きようとしている

だから、あたしも信じていいよね

いつかきっと・・・

誰も悲しまずにすむ未来が、この世界に訪れるって

だから・・・

ずっと、ずっと

この場所から

あたしたちを、見守っていてくれるよね?





リューグ 「さて、戻るぜ。そろそろバカ兄貴たちも来る頃だし」

トリス 「そう言えば、ロッカは村を再建するんだって言ってたけど・・・どうなのかしら?うまくいってるのかな」

リューグ 「おい、愚問だぜ。クソ真面目なあいつが、しくじったりするわけねぇだろうが。それに、ジジイや黒騎士だちだって、一緒なんだぜ」

トリス 「そうだよね。ルヴァイドとイオスも手伝ってるんだし」

リューグ 「それだけで、あいつの罪が許されるなんて俺は思ってねえが、顔を見せたら今度はもう少し、ちゃんと話しができる気はするぜ」

トリス 「そっか・・・」

リューグ 「ところで、この集めた落ち葉はどうすんだ?」

トリス 「みんなが来たらさ、これで焚き火をして、おイモを焼こうかって思うんだけど」

リューグ 「はははははっ、そいつはいいかもな」

トリス 「ねえ、リューグ」

リューグ 「ん?」

トリス 「ありがとう・・・側にいてくれて・・・キミがいてくれたから、あたし、悲しみに負けずにいたんだと思ってる・・・リューグ、本当に強くて、頼りがいがあるから・・・」

リューグ 「ハッ!くだんねえことを言ってんじゃねえよ」






惚れた相手のためなら

男はいくらでも強くなれるんだぜ?






HOME





inserted by FC2 system