ロッカ×トリスED |
<聖地の森> ロッカ 「・・・トリス?もしかして、また考えていたんですか?あの子のことを・・・」 トリス 「ええ・・・」 ロッカ 「貴女と一緒にここで暮らすようになってずいぶんと経ちますが、やはり、まだあの時のことは忘れられそうにないみたいですね」 トリス 「うん・・・よくないな、って思ってはいるんだけど・・・つい、ね。1人でいると思い出しちゃって」 ロッカ 「無理もないですよ。特に、今日は。あの子がいなくなって、ちょうど二年になる日ですからね」 トリス 「・・・・・・」 ロッカ 「さぁ、行きましょう。他のみんながたずねて来てくれる前に、あの子の身の回りをきれいに掃除してあげないと・・・」 トリス 「そうね・・・」 <聖なる大樹> ロッカ 「集めた落ち葉は、まとめて、この袋に入れておきますね」 トリス 「ご苦労様、ロッカ。樹皮の傷んでる部分も処置したし、なんとかみんなが来る前に作業が終わったわ」 ロッカ 「せっかく、みんなが揃うんですからね」 トリス 「ええ、そうよね。聖なる大樹・・・この樹が、ネスだって知っているのは、たぶんあたしたちだけ・・・あの時から、ずっと邪悪な魔力を吸収して浄化し続けているのも」 ロッカ 「あの子のおかげで僕らは救われたんです。本当に、感謝しないと。ですが・・・本音を言えば、僕にも悔いがありますよ。こんな形の結末しか迎えられなかったのは、今でも残念です。それに・・・トリス。貴女が、こうして暮らしていることも」 トリス 「ロッカ・・・」 ロッカ 「聖なる大樹の護人。いったい、いつまで続けるつもりですか?いくら待ち続けても、あの子が帰ってくる保証はないんですよ」 トリス 「ええ、わかってるのよ。本当はこんなこといつまでもしてちゃいけないって・・・」 ロッカ 「トリス」 トリス 「でも、もうすこしだけ待っていたいの。あたしは・・・」 ロッカ 「信じているんですね。あの子が最後に、貴女と交わした約束を・・・」 トリス 「ええ、あたしはね。あの時たしかに聞いた気がしたんだよ。帰ってきます、ってそう言ってくれたアメルの声を・・・」 ロッカ 「僕も・・・信じたいです」 トリス 「ありがとう・・・ロッカ・・・でも、キミまで無理にあたしにつきあう必要はないんだよ」 ロッカ 「別に無理はしてないですよ、僕は僕がここにいるのは自分で望んで、決めたことなんですから。僕は、貴女を守りたい。もう後悔だけはしたくないんです」 トリス 「ロッカ・・・」 ロッカ 「あの人もきっと、それを望んでくれるはずです・・・」 トリス 「うん・・・っ」 アメル、聞こえる? あなたの愛したこの世界は、今もこうして息づいてる 相変わらず、あたしたちは 不器用な生き方しかできないみたいだけど・・・ でも、あなたは言ったよね 人間は自分自身の力だけで変われるんだって・・・ そんな人間のことが愛しいって・・・ だから、あたしも信じるわ いつかきっと・・・ 誰も悲しまずにすむ未来が、この世界に訪れるって だから・・・ ずっと、ずっと この場所から あたしたちを見守っていてね ねぇ、アメル・・・ ロッカ 「そろそろ戻りましょう。リューグのやつもやって来る頃でしょうし」 トリス 「あら?リューグはたしか旅に出てたんじゃなかったの」 ロッカ 「前にパッフェルさんが手紙を持ってきてくれたんですよ。闘技都市での生活も飽きたから、そろそろ帰ってくるって」 トリス 「そっか・・・」 ロッカ 「また一段と、腕をあげたようですからね、手合わせするのが楽しみですよ」 トリス 「お爺さんもルヴァイドも言ってたわ。二人には、もう教えることはないって」 ロッカ 「そんな、まだまだ僕たちは未熟ですよ。本当の強さは、技ではなく、心にあるんです。そこに至るまでには、もっと自分を磨いていかないと・・・」 トリス 「ロッカらしいわね。そういう考え方はね」 ロッカ 「ところで、この集めた落ち葉はどうします?」 トリス 「みんなが来たらさ、これで焚き火をして、おイモを焼こうかって思うんだけど」 ロッカ 「うん、そうですね。それはいい考えかも」 トリス 「ねえ、ロッカ」 ロッカ 「はい?」 トリス 「ありがとう・・・側にいてくれて・・・キミがいてくれたから、あたし、悲しみに負けずにいたんだと思ってる・・・ロッカは、いつだってあたしを気づかってくれてるから・・・」 ロッカ 「トリス。それは貴女も同じじゃないですか?」 貴女の優しさが、僕を強くしてくれるんです。 貴女に会えてよかった 貴女を好きになって、本当に・・・ |
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