マグナ×ハサハ夜会話


▼第1話


マグナ 「なんかさ、俺ってあぶないことにばかり首つっこんでさ、ハサハにコワイ思いばっかりさせちゃってるよな?」
ハサハ 「・・・・・・」
マグナ 「ゴメンな」
ハサハ 「・・・ねえ」
マグナ 「ん?」
ハサハ 「あやまるのって・・・おかしいよ・・・?」
マグナ 「え?」
ハサハ 「おにいちゃんがしたいこと・・・すれば、いいんだよ? ハサハは・・・ついていくから・・・おにいちゃんのことしんじてるから・・・ついていくの・・・」
マグナ 「ハサハ・・・」
ハサハ 「ね・・・?」


信頼してもらってるだけのことは、できるようにならないとな・・・がんばろう





▼第2話


ハサハ 「おにいちゃん・・・」
マグナ 「ん?」
ハサハ 「おじいさんたち、いつもどってくるの?」
マグナ 「それは・・・」
ハサハ 「はやく、戻ってあげてほしいな・・・だって、おねえちゃんかわいそう・・・」
マグナ 「きっとすぐに戻ってくるよ! きっと・・・」
ハサハ 「・・・(こくん)」


無事でいてくれよ みんな・・・





▼第3話


ハサハ 「ねえ・・・どうしてあの人 いっちゃったの? けんか、したの?」
マグナ 「そうじゃないよ 僕たちとは別にやることを見つけたから。 別の道に行っただけだ。 それだけだよ・・・」
ハサハ 「ひとりぼっち・・・さみしくないのかな?」
マグナ 「それは・・・」
ハサハ 「ハサハは・・・いやだな・・・。 ひとりぼっちは・・・いやだな・・・」


彼は気づいているのかな この子が心配してる ひとりきりってことの重さを・・・





▼第4話


マグナ 「ハサハ ずっと街を歩き回って疲れただろ?」
ハサハ 「・・・(ふるふる)」
マグナ (しかし、これだけ探しても見つからないってことを考えると、ミニスには悪いけどペンダントはもう見つからないかも知れないな)
ハサハ 「・・・みつかるよ」
マグナ 「え?」
ハサハ 「もどってくるよ だって あのこ・・・なくしたもののこと いっぱい、いっぱい想ってるから」
マグナ 「ハサハ・・・」
ハサハ 「想っていればね お願いは、かなうの。 ハサハもそうだったからわかるの・・・。 人間になりたいって ずっと、ずっと想いつづけて、この姿になれたから」
マグナ 「そっか・・・そうだよな。 まだあきらめるのは早いよな?」
ハサハ 「・・・(こくん)」


ハサハがそう言うと、信じたくなるんだよなあ 不思議と・・・




▼第5話


ハサハ 「おにいちゃん・・・これ・・・」
マグナ 「へえ、きれいな花の首飾りじゃないか」
ハサハ 「みんなといっしょにつくったの。 ほら・・・いいにおい・・・」
マグナ 「ほんとだ。 とっても柔らかくて、ほっとするような香りがするな」
ハサハ 「おひさまのにおいだよ、それ・・・」
マグナ 「そっか、だから元気がわいてくる気がするんだな?」
ハサハ 「・・・これ、おにいちゃんにあげるよ・・・」
マグナ 「えっ?」
ハサハ 「だって、おにいちゃん 悪いひとたちがやってきたせいで、ゆっくり、おやすみできなかった・・・。 だから・・・おひさまのにおいで元気だして・・・ね?」
マグナ 「ありがとうハサハ」
ハサハ 「また・・・ みんなで、あそこにいこうね・・・」
マグナ 「ああ、そうだな その時はもっともっとハサハとも遊ぼうな?」
ハサハ 「・・・(こくん)」


ああいう時間がもっと普通にもてるように、早くなるといいんだけどな・・・





▼第6話


マグナ 「あの霧に包まれた時は焦ったんだぜ? ほらハサハは背が小さいから、はぐれるんじゃないかって、心配したよ」
ハサハ 「・・・ありがとう。 でもね・・・だいじょうぶだよ。だって・・・あれは・・・ハサハのしってる霧だったもの」
マグナ 「えっ?」
ハサハ 「あれはね・・・シルターンの霧・・・とおしたくない人だけめかくしするの」
マグナ (それって、一種の結界ってことか!?)
ハサハ 「ハサハすぐにわかったの。 とおしてくれるって聞こえたから・・・だからね、ちっともこわくなかったよ?」
マグナ 「そっか・・・(てっきり、先輩たちの仕業だって思っていたけど・・・)」


いったい、誰があんなものを作り出したんだろう?





▼第7話


マグナ 「ハサハ 前から聞きたかったことなんだけどさ」
ハサハ 「・・・?」
マグナ 「君が持っているその水晶玉は、どういうものなんだい?」
ハサハ 「これはね・・・ ほうぎょく・・・」
マグナ 「宝玉?」
ハサハ 「(こくん)ハサハのまりょくはね、みんなこの中にあるの・・・おにいちゃんたちとおんなじ姿でいられるのも・・・ほうぎょくのおかげなんだよ?」
マグナ 「へえ・・・」


それだから、いつもしっかり両手でかかえているのか





▼第8話


マグナ 「なあ、ハサハ どうしてレイムさんをこわがったんだい?」
ハサハ 「・・・・・・つれて・・・いっちゃうから・・・」
マグナ 「え?」
ハサハ 「おにいちゃんを・・・つれてっちゃうから。 だから・・・ハサハ、なかよくしたくない、あいつと・・・」
マグナ 「あいつ・・・って その言い方は、おまえ、失礼だぞ?」
ハサハ 「・・・(ふるふる)」
マグナ 「いいか? ハサハ そりゃ、レイムさんは吟遊詩人で、旅人だ。 あんな風に気ままに暮らしたいってあこがれる気持ちも俺にはあるよ。 でも、だからって 俺がみんなと別れてあの人についていくはずがないだろう?」
ハサハ 「・・・ほんとに?」
マグナ 「当たり前だよ 俺はずっとハサハたちの側にいるって」
ハサハ 「やくそく、だよ?」


ハサハはレイムさんに、俺をとられると思ってたみたいだな・・・





▼第9話


ハサハ 「いいひとだよね? あのおねえちゃん」
マグナ 「どうしてそう思ったんだい?ハサハ」
ハサハ 「ここの、みんながそういってたの・・・」
マグナ 「みんなって、家にいた召喚獣たち?」
ハサハ 「・・・(こくん)ごしゅじんさまはそそっかしくて、だらしなかったりするけど・・・かぞくみたいにみんなに、やさしくしてくれるって・・・」
マグナ 「へえ・・・」
ハサハ 「ハサハにはわかるよ? だって・・・おにいちゃんもおんなじ、だもん・・・ね」
マグナ 「そっ、そうかな」
ハサハ 「・・・(こくん)」


・・・ところで同じなのはどこからどこまでの部分だったんだろうか???





▼第10話


マグナ 「カイナさんの格好 あれもやっぱりシルターンの着物だよな?」
ハサハ 「・・・(こくこく)ケイナおにいちゃんとおんなじ・・・」
マグナ 「うん、特にケイナとは色までそっくりだった。 なにか、意味があるのかな?」
ハサハ 「・・・みこさん」
マグナ 「え?」
ハサハ 「あれは、みこさんのきものだよ・・・」
マグナ 「みこさんってなに?」
ハサハ 「だから・・・ みこさん、だよ?」
マグナ 「だから・・・???」


うーむ、言葉の意味がわからないって時点でおてあげだよなあ・・・





▼第11話


ハサハ 「かわいそう・・・だったね・・・」
マグナ 「ああ、約束を裏切られたんだ・・・死んだ砦の人たちもシャムロックさんもすごく無念だと思うよ」
ハサハ 「ちがうの・・・ハサハがいってるのは・・・あのひとのこと・・・」
マグナ 「ひょっとしてルヴァイドのことか?」
ハサハ 「・・・(こくん)あのひと・・・なんにもいわなかったけど・・・すごく、かなしんでた やくそく・・・まもれなくて・・・ハサハにはわかるの・・・ きょうのあのひとは、つめたいかげじゃなかったから・・・だから、わかるの」
マグナ 「ハサハには悪いけど・・・俺には、とても信じられないよ。 だって、あいつは俺たちの前で、レルムの村を焼き払ってみせたんだぞ・・・」
ハサハ 「・・・・・・」


あんな虐殺をした男が 今さら、そんなことで悲しむはずなんてあるもんか





▼第12話


マグナ 「ハサハは鬼と会ったことがあるのか?」
ハサハ 「うん、あるよ・・・いい、おにさんとなら」
マグナ 「いい鬼???」
ハサハ 「・・・(こくん)きじんさま、っていうの・・・」
マグナ 「鬼神さま・・・ それって、もしかしてカイナが仕えているっていう・・・!?」
ハサハ 「・・・(こくこく)きじんさま、や りゅうじんさま、は おこらせるとこわいけど・・・ふだんは、とてもやさしいの。 ハサハみたいなようかいたちにも・・にんげんにも・・・」
マグナ 「へえ・・・」
ハサハ 「おにいちゃんにわるさをしたのは ちがう、おに・・・いっしょにしちゃだめだよ・・・ね?」


なんにでもいいヤツと悪いヤツがいるってことか





▼第13話


ハサハ 「おまつり?」
マグナ 「ああ、一緒に見物に行かないか?」
ハサハ 「・・・(こくこく)」
マグナ 「よし、それじゃ支度をしなくちゃな」
ハサハ 「ハサハ もう、できてるよ?これ・・・おまつりの、服なの」
マグナ 「へえ、そうなか?」
ハサハ 「うん・・・ でもね、いくのははじめてなの・・・。 いままでは、ずっとみていただけだから。 だから・・・すごくたのしみだよ おにいちゃん」


ハサハ 「・・・(ぺろぺろ)」
マグナ 「おいしいかい? ハサハ」
ハサハ 「うん・・・ とっても、あまいよ。 おにいちゃんはいいの・・・?」
マグナ 「ああ、俺はいいよ(さすがに、棒つきキャンディーなめては歩けないよな この歳じゃ・・・)それより、ほら口の周りがベタベタになってる」
ハサハ 「あ・・・」
マグナ 「食べ終わったらちゃんと拭くんだよ」
ハサハ 「・・・(こくん)」
マグナ 「それにしても、また一段と人が増えてきたみたいだな・・・ほら、手をつなごう はぐれると大変だろ?」
ハサハ 「・・・(こくん)おにいちゃんの手おっきいね・・・それに、とってもあったかくて・・・ ハサハすきだよ・・・」
マグナ (そういえば、手をつないでやるのって これが初めてかもしれないな? 今までは、ずっと俺の服のすそにしがみついてばかりだったし・・・)
ハサハ 「ねえ、あれはなに?」
マグナ 「どれどれ・・・?」
ハサハ 「ほら、こっちだよ ほら・・・」


ハサハ 「わあ・・・」
マグナ 「ハサハはたしか、花火は見たことあるんだよな」
ハサハ 「うん・・・でも、こんなにたくさんあがるのははじめて・・・きれい・・・」
マグナ 「歩くのにも疲れたし、ちょっと休憩しようか。 ほらハサハも座りなよ?」
ハサハ 「うん・・・」
マグナ 「・・・って、こら? そこは俺の膝の上だぞ・・・」
ハサハ 「ハサハここが、いいの」
マグナ 「まったく・・・しょうがないやつだな。 ハサハは」
ハサハ 「・・・・・・きょうだけ・・・だから・・・」
マグナ 「えっ?」
ハサハ 「あまえるのは、きょうだけだから・・・あしたからは、いい子にするから・・・おねがい・・・」
マグナ 「(もしかしてハサハはこの先の旅がもっと大変だって知ってて、それで・・・こんな風に・・・)わかったよハサハ、今日だけ、だからな?」
ハサハ 「・・・(こくん)」





▼第14話


ハサハ 「よかったね おねえちゃん・・・おじいさんとなかなおり・・・できて・・・」
マグナ 「ええ、これでひとつ心配事が消えたよ」
ハサハ 「でもね・・・おじいさんは、まだつらそうだよ・・・」
マグナ 「え?」
ハサハ 「あのひと・・・じぶんのせいっておもってる・・・ハサハたちがたいへんだったのも むらのひとが、ひどいめにあったのも、ぜんぶ・・・じぶんのせいだっておもってるよ・・・」
マグナ 「まあ、たしかにアメルを連れて逃げたことで、俺たちは今回のことに関わったんだけど・・・村が襲われたのは爺さんには関係のないことじゃ・・・?」
ハサハ 「おにいちゃん・・・おじいさんをたすけてあげて・・・おじいさんのこころ、このままじゃ、きっとつぶれちゃうよ。 だから・・・たすけてあげて・・・」


きっとまだ、俺たちの知らない秘密を爺さんは抱えこんでいるんだな・・・





▼第16話


ハサハ 「ひらいてくれたね? おにいちゃんの・・・こころ・・・」
マグナ 「ハサハに叱られちゃったからな」
ハサハ 「ごめんね・・・」
マグナ 「え?」
ハサハ 「うそだから・・・ハサハがおにいちゃんのこときらいっていったのうそだから・・・ハサハをきらわないで・・・」
マグナ 「わかってるよ そんなことはね? 俺は、あんなことでハサハを嫌いになったりなんかしないよ」
ハサハ 「おにいちゃん!」
マグナ 「・・・ととっ!?」
ハサハ 「おにいちゃん・・・だいすき・・・」


ああ、俺もハサハが大好きだよ・・・・





▼第17話


マグナ 「ハサハが最初からあの人が苦手だったのは、このことに気づいてたからなのかい?」
ハサハ 「・・・(ふるふる)」
マグナ 「え?違うのか?」
ハサハ 「ハサハむつかしいこと・・・わかんない・・・でも・・・あいつとはじめてあったとき・・・まっくろだった・・・」
マグナ 「真っ黒?」
ハサハ 「・・・(こくん)まっくろで・・・まっくらなの・・・。ふかい、ほらあなみたいに・・・。なんにもみえなくてこわかった・・・だから・・・!」
マグナ 「わかったよハサハ もう、無理に話したりしなくていいから」
ハサハ 「・・・いかないでね? おにいちゃん・・・っ、あいつについていかないでね・・・?」
マグナ 「ああ、約束するよ 絶対ついていかないよ」
ハサハ 「・・・(ぎゅっ)」


ハサハがこんなに怖がるなんて いったい・・・?





▼第18話


ハサハ 「ハサハね、きょう、はじめてわかったよ・・・くろいかげだっておもってたのは、あのひとが・・・こころ、とざすためにつくったもの・・・つめたいってかんじていたのは、あのひとの中からあふれだしてきてる。 つらい、きもちだったの・・・」
マグナ 「そうだったのか・・・」
ハサハ 「でも、それじゃダメだよ・・・こころをとざしたら なにも、みえなくなる きこえなくなるの」
マグナ 「前に俺がなりかけた あの状況と同じってことだな?」
ハサハ 「・・・(こくん)だれかが、ひらいてあげなくちゃダメなの。 そうじゃなきゃ、あのひと、ほんとうにくらくて、つめたいかげになっちゃう。 のみこまれちゃうよ?ハサハはそんなの、イヤだよ・・・おにいちゃん・・・」
マグナ 「ハサハ・・・」


どうすれば、黒騎士にそれを気づかせることができるんだろう?





▼第19話


ハサハ 「あのひとたちも・・・まっくろだったよ。 こころが、まっくろでこわかった・・・」
マグナ 「キュラーたちのことを言ってるのかい?」
ハサハ 「・・・(こくん)」
マグナ 「ハサハはそうやって人の心がわかるみたいだけど、それって、どうやって見わけるんだい?」
ハサハ 「ほうじゅを透かすとね みえるの・・・そのひとのむねにとびらがあって・・・そのなかに、いろんな色があって・・・その色で、こころがわかるんだよ?」
マグナ 「へえ・・・」
ハサハ 「でも、ふつうはとびらしまっているから いつでもみえるわけじゃないよ・・・おにいちゃんは・・・べつだけど・・・」
マグナ 「えっ!?」
ハサハ 「おにいちゃんのこころ さいしょから・・・とびら、あいてたよ?そこから、みえた色 ハサハのだいすきな色だった。 シルターンのそらの色、あおくて、やさしい きれいな色・・・だから・・・おにいちゃんについてきたの」
マグナ 「ハサハ・・・」


空の色、か・・・ いつまでもそんな心を持ち続けられたならいいけどな・・・





▼第20話


ハサハ 「あくま・・・だったんだね・・・」
マグナ 「ああ、正直なところ思いもしなかったよ。 人間じゃなかったなんて・・・」
ハサハ 「だから・・・みえなかったんだ。 こころ・・・まっくらだったんだ」
マグナ 「・・・・・・」
ハサハ 「どうするの・・・おにいちゃん? あくまがあいてでもこわくないの?」
マグナ 「こわいさ・・・ だけど、俺は戦うよ。 ほっておくことはできないからな」
ハサハ 「・・・(ぎゅっ)」
マグナ 「ハサハ?」
ハサハ 「ハサハもいっしょだよ? おにいちゃんと・・・いっしょだよ・・・」
マグナ 「ああ、わかってるよ ずっと、一緒さ?」
ハサハ 「・・・(こくん)」


終わらせなくちゃな この子のためにも 絶対に・・・





▼第21話


ハサハ 「たすけてくれたんだね あの、きかいのひと。 みんなを、たすけるために・・・しんじゃったんだね」
マグナ 「うん・・・だけど、俺は自爆なんてしてほしくなかったよ。 犠牲になんてなってほしくなかったよ」
ハサハ 「おにいちゃん・・・。 すまない、っていってた・・・」
マグナ 「え?」
ハサハ 「いままでのこと、これからのこと、まかせてしまってすまない、って・・・あのひとのこころ、そういってたよ」
マグナ 「ゼルフィルドに・・・心が・・・?」
ハサハ 「(こくん)あのとき、はじめてハサハにみえたの・・・まじりけのないすきとおったこころだから、いままで きづかなかっただけ」
マグナ 「・・・・・・」
ハサハ 「あのひと・・・じぶんのいままでにまんぞくしてた。 だから、おにいちゃん・・・もう、かなしまないで」
マグナ 「ハサハ・・・」
ハサハ 「あのひとも、きっとそれじゃかなしいよ?」
マグナ 「うん・・・」


あの瞬間、彼は機械兵士でなく人として散っていったのかもしれないな





▼第22話


マグナ 「これでもう、本当に後戻りはできなくなっちゃったな」
ハサハ 「・・・(こくん)」
マグナ 「メルギトスたちを倒すだけの力が、俺にあるとは思えないけどさ。 でも、俺にはハサハやみんながいてくれる 信じてくれてる。 せめて、その期待に応えるだけのことはしてみせるから」
ハサハ 「だいじょうぶだよ。 おにいちゃんは・・・きっと・・・勝つよ? まけたりなんか ぜったい、しないもの」
マグナ 「ハサハ・・・?」
ハサハ 「ハサハにはわかるの。 あのひとにないもの、おにいちゃんたくさんもってる。 あったかくて、つよいちから、もってるから・・・だからね、まけないの。ほんとだよ?」
マグナ 「・・・そうだよな。 ハサハはウソつかないもんな?」
ハサハ 「・・・(こくん)ハサハ、おにいちゃんがすき。 やさしくてあったかいから、だいすき・・・」
マグナ 「俺もだよ ハサハが側にいてくれると、なんかほっとする。 すごく優しい気持ちになれる気がするんだ」
ハサハ 「おにいちゃん ハサハとケッコンして?」
マグナ 「え?」
ハサハ 「ケッコンすれば ずっと、いっしょにいられるんでしょ?ハサハ、おにいちゃんとずっと、いっしょにいたいから・・・」
マグナ 「・・・わかったよ ハサハ。 ケッコンしよう? 俺たちが、ずっと一緒にいられるように」
ハサハ 「それじゃ・・・ゆびきり、して?」
マグナ 「・・・こう?」
ハサハ 「ゆびきり、げんまん うそついたらはりせんぼん・・・ずっと、ずーっといっしょにいようね? おにいちゃん・・・」





▼ED


ハサハ 「おに・・・きて・・・だよ・・・」
マグナ 「ん・・・」
ハサハ 「・・・よ・・・さだよ ね・・・!?」
マグナ 「ん、んん・・・???」
ハサハ 「・・・にいちゃん おにいちゃんってば!」
マグナ 「ふぁ・・・? おはよぉ・・・っ ハサハ・・・」
ハサハ 「もう・・・やっと、おきた・・・ハサハさっきから、ずっとよんでたのに・・・あさごはんだって はやくしないと、またアメルおねえちゃんにしかられるよ?」
マグナ 「いっ!?」


アメル 「もう・・・マグナもハサハちゃんもねぼすけなんだから。 せっかく焼きたてのパンだったのに冷めちゃいましたよ」
ハサハ 「ハサハは・・・ちゃんと、おきたよ」
マグナ 「はいはい・・・どーせ、俺がみんな悪いんですよーだ」
ネスティ 「だからといって 開きなおればいいというものではあるまい。 どうだろう、アメル 寝坊の罰として朝食を抜くというのは」
アメル 「あ、なるほど・・・」
マグナ 「ちょ、ちょっとっ それだけは、ホントに勘弁してくれよっ! なあ、アメルぅ・・・お願いだからさぁ」
アメル 「どーしようかなぁ?」
ハサハ 「それは・・・ちょっと、かわいそうかも・・・アメルおねえちゃん ゆるしてあげて おねがい・・・」
アメル 「ふふふっ、それじゃあ今日のところはハサハちゃんに免じて・・・ね」
マグナ 「よかったあっ!!」
ネスティ 「ハサハに感謝しておくんだぞ マグナ」
マグナ 「うんっ!うんっ! ありがとなハサハっ♪」
ハサハ 「・・・(こくん)」
ネスティ 「食事が済んだら昨日のおさらいとして試験をするからな」
マグナ 「いっ!?」
ネスティ 「戦いで学んできた君の召喚術は、技術だけが先行して、理論を無視しているからな。 この機会に、みっちり追いついてもらわなくては、困るんだ」
マグナ 「うう・・・っ」
ハサハ 「おべんきょう・・・ハサハもいっしょにするよ」
アメル 「じゃあ、あたしお勉強が終わるまでにおいものケーキ焼いておきますね」
ネスティ 「ありつけるかどうかは試験の点次第だがな」
マグナ 「(トホホ・・・)」
ハサハ 「(ぽむぽむ)・・・がんばろうね」



マグナ 「しかし、ネスも毎日毎日、ひどいよなぁ・・・戦い終わってみんなで暮らし始めてからずっと勉強漬けだなんてさ」

ハサハ 「しかたないよ・・・うん・・・。 ネスティおにいちゃん、ひっし、なんだよ。 おにいちゃんのことつよくするために。 きっと、また・・・やってくる・・・あいつに、まけたりしないように・・・」

マグナ 「うん・・・わかってるよ、それは。 あの最後の戦いでメルギトスは倒すことができたけど・・・リィンバウム中にばらまかれてしまった源罪までは、消し去ることができなかった」

ハサハ 「あいつ、わらってた。 じぶんは、なんどでもかえってくるって。 みんなのこころがよごれているかぎり、なんどでも・・・」

マグナ 「それは今日かもしれないし、明日かもしれない。 ううん・・・もう、すでに復活して新たなかん計を巡らせているのかも・・・」

ハサハ 「・・・(ぎゅっ)だいじょうぶだよね だって、みんなここにいるんだもの。 いつかきっと・・・あいつも、かえってこれなくなるよね」

マグナ 「うん、そうだよな。 強くならなくちゃな 俺たちが、今度こそ全てを終わらせないと」

ハサハ 「(こくこく)!」

マグナ 「その時には、また頼りにさせてもらうぜハサハ」

ハサハ 「うん・・・ハサハはおにいちゃんとずっといっしょだよ」




だって、ゆびきりして、ケッコンしたんだから・・・ね?





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