トウヤ×ソル夜会話


▼第二話

ソル 「すまないな。 俺をここに置いてくれるように、ずいぶん骨折ってくれて・・・」
トウヤ 「いや、別にたいしたことはしていないよ。 ここの人たちは、みんな親切だからね」
ソル 「どうしてだ?」
トウヤ 「え?」
ソル 「お前、簡単に人を信用しすぎるんじゃないか。 それに・・・親切過ぎるぜ。
俺は、お前を事故に巻きこんだ召喚師の一員なんだぞ。 憎くないのかよ!?」
トウヤ 「・・・憎んだところでどうにもなるもんじゃないからな。
それに君は、僕の前に名乗り出てきてくれた。 黙って逃げたっていいのに、自分から僕の前に出てきてくれた。 だから、僕は君を信じようと思ったんだ。 みんなもきっと同じさ」
ソル 「それならいいんだけどな…」


まずは僕が、彼のことを信じないとな… 全てはそれからだ




▼第三話

ソル 「・・・」
トウヤ 「どうかしたのか。ため息をついて」
ソル 「あきれたやつだよな。お前もさ・・・」
トウヤ 「・・・すまない」
ソル 「あのなぁ、俺はお前を元の世界に戻そうって、必死なんだぜ?
まったく、お気楽にもほどがあるぜ・・・」


やれやれ、叱られてしまったよ




▼第四話

トウヤ 「ジンガの使うストラは、召喚術とは違う力なのか?」
ソル 「全く別物さ。呪文じゃなくて、呼吸を使う。もちろんサモナイト石だって必要ない。
同じなのは精神の集中が必要ってところだけさ」
トウヤ 「なるほど」
ソル 「あとな、ストラは男より女の方が強い力を出せるらしいぜ。訓練次第では、ひどいケガですら一瞬で治してしまうらしい」
トウヤ 「・・・すごいもんだな」


ストラって便利な力なんだな・・・




▼第五話

トウヤ 「やれやれ、今日は大変な一日だったな」
ソル 「『今日も』だろ?平穏じゃないのはお前が騒動を呼んでるからじゃないのか?」
トウヤ 「そうかな・・・」
ソル 「おいおい。騒ぎの元凶に自覚がないってのは無しだぜ」
トウヤ「・・・僕のせいか?」
ソル 「言っただろ、そう」
トウヤ 「・・・・・・」
ソル 「ウソだって、ウソ。少なくとも俺はこの生活、楽しんでる。ほんと、刺激的だぜ」


初めてだよな・・・あんなふうに笑ったの




▼第六話

ソル 「カノンの中に流れているのは、シルターンという世界の、鬼神の血だ」
トウヤ 「シルターン?」
ソル 「召喚術で開かれる4つの世界のひとつだ。そこに住む鬼神たちは強靱な肉体と破壊の力をもっている」
トウヤ 「ああ、だからカノンは怪力を発揮したのか」
ソル 「はぐれになった鬼神がカノンの父親らしいが・・・。召喚術を使う者として改めて考えさせられてしまうな」
トウヤ「・・・そうだな」


召喚術を使う者としての責任、か・・・




▼第七話

ソル 「なあ、さっきのことを考えているのか?」
トウヤ 「ソル?」
ソル 「お前は充分に精一杯やってたぜ。俺にはそう見えた。ただ彼らを見捨てたんじゃない」
トウヤ 「でも・・・」
ソル 「過ぎてしまったことを悔いたって、やり直すことはできない。大切なのはこれから先だぜ・・・な」
トウヤ 「・・・ああ」


わかってはいるんだ。でも・・・




▼第八話

ソル 「モナティは、メイトルパに生息するレビットらしいな」
トウヤ 「???」
ソル 「メイトルパっていうのは幻獣や亜人間の世界さ。
レビットは、亜人間の一種なんだよ。不思議な力がある以外は、人間と同じような暮らしをしてるらしい」
トウヤ 「じゃあ、モナティにも不思議な力が?」
ソル 「今のところはなんとも言えない。実は俺さ、メイトルパから召喚獣呼ぶの、苦手なんだ」
トウヤ 「そうか…」


モナティも不思議な力を持ってるのかな?




▼第九話

ソル 「トウヤは俺が説明する前から、忍者について知ってたみたいだな」
トウヤ 「僕のいた世界にも、昔は忍者がいたからね。昔の話だけれど」
ソル 「サプレス、シルターン、ロレイラルに、そしてメイトルパ・・・お前のいた世界は4つの世界のどれでもないようだな」
トウヤ「ああ…」
ソル 「俺を信じてくれ。絶対にお前を元の世界に帰してやる」
トウヤ「ああ、信じてるよ」


僕のいた世界はどこにあるんだろう?




▼第十話

ソル 「ラムダは、自分のしようとしていることをきっとわかってる。
犠牲さえも、自分の罪にして、背負っていくつもりなんだ・・・ 俺は・・・少しだけあの人のことがうらやましいのかもな・・・」
トウヤ 「え?」
ソル 「全てを覚悟して決断できる勇気があったなら・・・」
トウヤ 「ソル?」
ソル 「あ、いやなんでもない。なんでもないよ」


ソルはどうしてあんなことを言ったんだろう?




▼第十一話

トウヤ 「バノッサの使ったのはやっぱり…」
ソル 「ああ、召喚術だ。前にも言っただろ。知識とサモナイト石があれば、召喚術は誰でも使えるんだよ」
トウヤ 「だとしたら、バノッサはどうやってそのことを知ったんだろう。
この街で召喚術が使えるのは僕と君、あとはマーン三兄弟ぐらいのはずなのに・・・」
ソル 「方法はともかく、奴が力を手に入れたのは事実なんだ。気をつけろ。バノッさは、まだお前を憎んでいるはずだ」
トウヤ 「ああ…」


あれは、本当に召喚術だったんだろうか?




▼第十二話

ソル 「あの宝玉・・・!サプレスの悪魔と契約できる力が!?それも、サモナイト石さえ使わずに、固定化させるだって?」
トウヤ 「そんな物を、バノッサは手に入れてしまったのか」
ソル 「奴とはこれ以上関わっちゃだめだ」
トウヤ 「え?」
ソル 「あの黒装束たちとだけは、関わってはいけない気がするんだよ」
トウヤ 「それは無理だと思うよ。僕が望まなくたって、バノッサが・・・」
ソル 「わかってるさ!でもな・・・」
トウヤ「ソル?」
ソル 「それでも・・・俺は・・・!」


ソルは何を怖がってるんだ?




▼第十四話

トウヤ 「信じられないな。僕の力がそんなに強いものだったなんて」
ソル 「俺も驚いてる。お前の力が誓約者に匹敵するほどだなんて」
トウヤ 「正直に言うと実感がわいてこないな。向こうの世界での僕は、ごく普通の人間でしかなかったんだから」
ソル 「もしかして事故のせいなのかもな・・・」
トウヤ 「でも、そのおかげで僕にも役に立てることが見つかったんだ。今となっては、この力に感謝をするべきかもしれないな」
ソル 「・・・・・・」


僕がここに呼ばれたのはこのためだったのかもしれない




▼第十七話

ソル 「こんなふうにまたお前と話ができるなんて思いもしなかったよ」

トウヤ 「ああ・・・」

ソル 「お前が全てを知った時どうなるのかがずっとこわかった・・・
きっとお前は俺のことを恨むだろうと思っていたんだ。でもお前は俺に優しい言葉をかけてくれた。どうしてだ?俺はずっとお前に嘘をついていたのに・・・」

トウヤ 「嘘だけじゃなかったからさ。たしかに君は、僕らに嘘をついてきたのかもしれない。だけどそれ以上に、君は仲間として、僕たちのことを助けてくれただろう。
だから、僕は君のことを信じられる」

ソル 「ありがとうトウヤ。俺は・・・お前と出会えて良かった、本当に・・・」

トウヤ 「それは僕も同じさ。君がいてくれたから、一人じゃなかったから僕はこの力の重みに耐えられたんだよ」

ソル 「・・・覚えてるか?二人で儀式の跡を調べに行った時、お前が俺にたずねたことを。お前がこの世界に呼ばれた時、助けを求める声が聞こえたって・・・」

トウヤ 「ああ、覚えてるよ」

ソル 「俺は儀式をしながら、ずっと悩み続けていた。
自分のやっていることが正しいことなのか、本当に世界を滅ぼしてしまってもいいのか。
答えを出せずに、俺は心の中で悲鳴をあげていたんだよ・・・助けてくれ、って」

トウヤ 「それじゃ・・・」

ソル 「お前が聞いたのは俺の心の叫びだったのかもしれない・・・
そしてお前はその声に応えてくれたんだ。本当にありがとう。お前が来てくれたから俺は本当の俺に出会うことができたんだ」

トウヤ 「ソル・・・」

ソル 「だから、約束するよ。絶対にお前を元の世界に帰してみせるって。お前がそうしてくれたように、今度は俺がお前を守ってみせる!」

トウヤ 「ありがとう。僕も今、ここで誓うよ。この先どんなことがあったとしても、最後まで君を守るって・・・」



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